物忘れ・認知症
〔 忘れっぽくなった 〕
物忘れ・
認知症について
認知症は、「アルツハイマー型認知症」と「脳血管性認知症」に分けられます。
アルツハイマー型認知症は脳が次第に萎縮して機能も衰えていきますが、その原因やメカニズムはまだ不明で、特効薬と呼べる治療法がないのが現状です。
脳血管性認知症は脳梗塞や脳出血によって発症します。
生活習慣病と関わりがあり、こちらは予防するノウハウが年々進歩しています。
もともとは脳血管性認知症を患う方が多かったのですが、最近は80代の方々の3人に1人はアルツハイマー型認知症であるといわれています。
認知症の予防
認知症になりやすいタイプの脳なのかについては、ある程度の予測をすることは可能です。
しかし、認知症は未然に防ぐことが難しい病気であるのが現状です。
ただし、海馬を活性化させて脳の働きを活発にすることで症状をコントロールし、これを予防に役立てることができます。
認知症のテストや高画質のMRIを使うことで海馬を数値化して提示することができるため、当院ではこうした検査技術を活用した認知症の予防に取り組んでいます。
認知症の症状
日常生活の中で普段と違う行動や感情の表現が露骨になり、もの忘れが多くなったり、今まで自分でできていたことができなくなったりして、ご家族が心配して来院されるケースが多くあります。
うつに似た症状も見られ、診察を受けなければわからないケースもあります。
認知症は必ずしも治らない病気ではなく、症状によっては治る可能性もあり、予防の手段も残されています。
まずは早期に何らかの対処をすることから始めるためにも、専門医が在籍する当院での検査・診察をお受けください。
認知症外来の流れ「生理的健忘」か「認知症」か診断する
脳は手や足と同じように体の一部です。加齢とともに「早く走る」ことが苦手になることと同じように、脳も「覚える」ことが苦手になってきます。これを「生理的健忘(加齢に伴う正常な認知機能低下)」といいます。初診ではまず「生理的健忘」か「認知症」かチェックします。実は認知症外来に積極的にご自身で受診される患者様は「生理的健忘」であることがほとんどです。なぜなら既に「自分のことが認知できている」からです。しかし、「生理的健忘」の段階であるからこそ認知症の予防が重要です。当院では「認知症ではないので大丈夫ですよ」で終わるのではなく、認知症の予防を行います。
認知症の治療について
治療可能な認知症 | |
水頭症、慢性硬膜下血腫、ビタミンB1 B12欠乏症、低血糖、甲状腺機能低下症 脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血) 脳腫瘍、けいれん発作 | 左記は一例ですが、これの疾患が原因で認知症を呈していた場合、適切な治療を行うことで認知機能の回復が望めます。一方で、これら疾患の発見が遅延することは患者様の不利益を意味します。診断のためには脳の画像検査、血液検査が必要となります。 |
根本的治療が困難な認知症 | |
アルツハイマー型認知症 前頭側頭型認知症 レビー小体型認知症/パーキンソン病 進行性核上性麻痺 大脳皮質基底核変性症 | 左記の疾患は確かに根本的治療が困難ですが、適切な治療や介護保険サービスを活用することで生活の質を維持することが可能です。ポイントは右記です。 |
①「認知機能障害」の進行を遅らせる治療薬を病型に合わせ適切に選択する。 ②妄想、幻覚などの「認知症の行動・心理症状」をコントロールし生活の質を維持させる。 ③介護保険制度の申請(介護申請)を行い、「介護保険サービス」を活用する。 |